お道具 ③

 今日は、茶宝と湯冷ましについてご紹介したいと思います。
 茶宝(ちゃほう。写真上)というのは二條流など幾つかの宗派での呼び方で、一般に急須と呼ばれるものです。持ち手が付いていて熱いお茶でも淹れやすいことから主に煎茶を淹れるのに使われます。しかしこの写真のように持ち手が付いていても小ぶりなものは、少量ながら濃厚な玉露を淹れるためにも使います。
 玉露を入れるためのお道具を区別して泡瓶(ほうひん。写真左上)と呼ぶこともあるようです。玉露は低温のお湯で淹れるので持ち手がなくても使えるようにと考えられたお道具です。
 レッスンの時にはもちろん茶宝も使いますが、ガラスの急須は中が良く見えて説明もしやすいのでこちらを使うことが多いです。ちなみに私が自宅で使うのは白山陶器の急須やKINTOのガラスポットです。使いやすくて部屋の雰囲気にも合うのでつい手が伸びます。

 写真下の三つは湯冷ましです。玉露や上級煎茶を淹れるときには温めのお湯を使う必要があるため、湯瓶から注いだお湯を冷ます道具として日本で考えられたそうです。普段家でお茶を淹れるときでも一度お湯呑みにお湯を注いで冷ますことがありますが、それを一つのお道具として独立させたものです。様々なサイズのものがあるので、一緒に使う茶宝とのバランスを合わせると良いと思います。

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