お茶の旅〜京都②

下鴨神社から出町柳駅に出て、叡山電車に乗り換えて向かうのは修学院前駅にほど近い「双鳩堂」。
三宅八幡宮の門前菓子である「鳩もち」がお目当てです。

プレーン、ニッキ、抹茶の3種類があり、サイズも形もかわいらしい!シンプルな素甘(すあま)だと思うのですが生地の柔らかさ、サイズ感、甘さ、全てがなんとも絶妙で美味しいとしか言いようがない‥!

大原女がデザインされた包み紙も古風で素敵です。「名物 でつち羊かん」も買うべきだったわ‥。
修学院前を出、京阪電車に乗って清水五条まで戻ります。気温も上がり日差しも柔らかくて絶好の散歩日和。のんびり歩きながら六波羅蜜寺へ向かいます。

六波羅蜜寺は空也上人ゆかりのお寺で、念仏を唱える空也上人の口から阿弥陀様が飛び出しているあの有名な像が、同じくゆかりのある平清盛像とともに公開されています。

さて、空也上人と六波羅蜜寺といえば日本のお茶の歴史において欠くことのできない「大福茶」のエピソードがあります。

疫病が大流行した都で、空也上人は自ら彫り出した十一面観音像と梅とお茶を載せた荷車を引きながら念仏を唱えて歩き、人々を救います。この出来事以来、正月に梅干しを入れた茶を飲むことは無病息災を願うことと結びつき「大福茶」として特に関西地方の人々にとって大切な新年の習わしになったということです。
写真上・六波羅蜜寺です。手前に「初詣 皇服茶(大福茶)」の看板があります。
空也上人の時代の帝である村上天皇にも、病床でお茶を口にすることで回復したとの逸話が伝わるためか「皇服」の字が使われているそうです。
下の写真は拝受した皇服茶。お守りのほか、梅干しと結び昆布が入っています。

六波羅蜜寺では元日に皇服茶が振る舞われるのは知っていましたが、お正月も過ぎていたのでいただけるとは思っていませんでした。思いがけずお土産にすることができて幸運でした!
六波羅蜜寺を出て、近くの「みなとや 幽霊子育飴本舗」へ。「幽霊子育飴」を購入します。
透明感があってキラキラと宝石のように美しい!試食をいただいてみると、優しい甘さが口の中にじんわり広がってきます。

このお菓子、少しドキッとする名前ですがこんな由来が語り継がれています。
夜な夜な飴を買いに訪れる若い女性。実は身籠ったまま亡くなってしまった女性の幽霊で、墓の中で生まれた幼子に飴を与えるために毎夜店を訪れていたのでした。助け出された幼子は、後に立派な僧となる‥。
子育飴本舗を出ると交通規制の看板がそこかしこに。近くの京都ゑびす神社で「十日ゑびす大祭」がとり行われていたためです。年に一度の大祭に偶然出会うとはこちらも思いがけない幸運で、賑やかな界隈を楽しみながら祇園散策ができました。

この後は、いよいよ旅のラストイベント!祇園「然美(さび)」にて日本茶とお菓子のティーペアリングです。

次回で黄檗〜宇治〜京都 お茶の旅は最終回となります。今しばらくお付き合いくだされば幸いです😌

(次回・最終回に続きます)

日本茶教室 松濤

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