小野原製茶問屋 うれしの茶 かぶせ さえみどり

今日の一煎は、佐賀県の小野原製茶問屋の蒸し製玉緑茶「うれしの茶 かぶせ さえみどり」 

「かぶせ」とは文字通り摘み取り直前のチャノキにシートを「かぶせ」て遮光(被覆栽培)することで、
碾茶(抹茶の原料)や玉露のように強い甘み旨みを引き出したお茶。
碾茶や玉露より遮光期間が短いので区分としては煎茶なのですが、同時に玉露のような甘みもたのしめます。

また、今日のお茶は一般的な日本茶のように針のように細く成形せず、ぐりっとまるまった形のままで乾燥させている「蒸し製玉緑茶」。
もともとは大正時代にロシアへの輸出用として静岡県伊豆地方や九州各地でつくられたのがはじまりで、
渋みが少なくまろやかな甘みがあります。

そんな特徴を持つお茶なので
今日は、常温の水で淹れたお茶を氷で冷やして、玉露のように濃厚な甘みと旨みのしずくを一煎めに。
二煎め・三煎めは80度のたっぷりのお湯で淹れてみました。

熱めのお湯で淹れると渋みが強く出たり色が悪くなったりしがちなのですが、
きれいな緑色の水色とやさしい旨みはやはり「さえみどり」といった感じです。

写真は一煎めなので水色は淡いですが、かぶせた香りがとても強い。
被覆することで生まれる香りを「覆い香(おおいが)」といい「青海苔のような香り」とも形容されるのですが、
玉緑茶の特徴である「釜香(かまか。香ばしい香り)」が少し加わって「焼き海苔のような香り」
を感じるのは気のせいかもしれない 笑 よい香りです。
昨年の「消費者が直接選ぶおいしいお茶」を決める日本茶アワードでは各地の「さえみどり」が大変人気だったようで、
今年も引き続きまろやか系のお茶がアワードを席巻するのか?
とても興味深いところだったのですが、今年の日本茶アワードはすでに中止が決定してしまいました。


また、みんな元気でお茶できる日を。

日本茶教室 松濤

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