2021.11.29 02:00茨城県・くきほうじ と 石川県・板屋 こもかぶり今日の一煎は、茨城県吉田茶園さんの茎ほうじ茶。すっかり冷たくなった朝の空気に、あつあつの湯気が立ち上ります。今日のお菓子は石川県・板屋の「こもかぶり」。古都金沢の冬の風物詩である、土壁を雪から守るための「こもがけ」を表現したお菓子です。縄を表しているという細長ーい生地を焼くには、機械でなく熟練した職人さんの手が必要とのことでとても手間暇かかっているのがわかります。中にごろんと大きく柔らかい栗の甘露煮が隠れているのが嬉しい驚きでした😋
2021.11.26 02:00熟成本山茶 と 日本橋・長門 亥の子餅今日の一煎は、静岡県の熟成本山茶。「熟成」とは5月の新茶をひと夏のあいだ涼しく安定した環境でじっくり寝かせること。静岡では徳川家康に献上するお茶を貯蔵した蔵が井川の大日峠に復元されており、そこで熟成されたお茶は、秋の口切りまで厳重に管理されます。まろやかで上品。とても自然でありながら端正な印象が残るような、そんな味わいです。お菓子は、引き続き日本橋 長門の「亥の子餅」。11月の亥の日に無病息災や子孫繁栄を願っていただく歳時菓子。冬を迎える「炉開き」の時期のお菓子でもあります。「亥の子餅」というとデザインも風味も多種多様(どれも可愛らしい!)。そんななか、特に多いのは豆やきな粉・焼きごてなどで亥の子の模様をあらわしたもののような気がするのですが長門の「亥...
2021.11.22 02:00鹿児島県・ゆたかみどり と 日本橋・長門 後の花今日の一煎は、鹿児島県の「ゆたかみどり」。カテキンが豊富で、ともすれば渋みがちになりかねない特徴を持つこのお茶。栽培と加工の工夫によって鹿児島県を代表するといわれる品種にまで育て上げた鹿児島の人々の熱意に心動かされます。ふわっと芳ばしい香りにほっこり。朝晩は特に肌寒く感じるようになった今の時期によく合います。お菓子は日本橋 長門の「後の花」。大粒で柔らかい「かのこ」に、練り切り生地の菊の葉をあしらった秋の名残を感じさせるお菓子。葉のすっきりとした輪郭や、葉脈の加減がキリッとしていて惚れ惚れします✨
2021.11.20 02:39山椒玉露 と 金沢・諸江屋 十二ヶ月今日の一煎は、玉露に和山椒をブレンドしてみた「山椒玉露」です。そのままやん😆ごく少量のお湯でじっくり淹れた玉露の旨みと、山椒のピリリとした風味がぴったりですリキュールを思わせる芳醇さでナッツやちりめんなどおつまみ系と合わせるのも良さそう。12月からのシーズナルレッスンではこの「山椒玉露」をより詳しくご紹介したいと思います。後日、このブログでご案内いたしますのでもう少々お待ちください。お菓子は金沢市・諸江屋の「十二ヶ月」。月替わりのシンプルなふのやき煎餅で、銀杏の姿が美しい✨
2021.11.15 02:00長崎県彼杵・蒸し製玉緑茶 と 京都府・亀谷清永 月影今日の一煎は、長崎県・大山製茶園さんの蒸し製玉緑茶。蒸し製玉緑茶はそのほとんどが九州でのみ生産されているというとても珍しいお茶です。第一印象で柔らかくか弱そうな茶葉が目を引き、実際いただいてみるとその強い甘みとコクに驚かされます。角のない甘い香りと美しい水色は長めの被覆期間と「さえみどり」がブレンドされていることから来るのでしょうか。お菓子は京都府・亀谷清永の「月影」、黒糖と胡桃のこっくりとした羊羹です。闇に浮かんでいるはずの月は見えませんがちぎれた雲が輝きながらたゆたう様子に月の気配を感じるという、なんとも趣のあるお菓子。
2021.11.12 02:00三重県・かぶせ茶 と 千秋庵・翁昆布今日の一煎は、三重県伊勢市のかぶせ茶。「玉露と煎茶の中間」といわれるかぶせ茶は「被覆=かぶせ」ることで玉露のような強いうまみが加わった煎茶。今日はその特徴を生かすため、一煎めは玉露の淹れかたで濃厚に、二煎めはぐぐっと湯温を上げてさっぱり感を引き出して、といったように一煎めと二煎めのギャップをたのしみます。お菓子は、北海道・千秋庵の「翁昆布(おきなこぶ)」。見た目も菓銘もなかなか渋い!昆布の風味豊かな求肥で餡を包んでいる、珍しいお菓子です。あんこと昆布の組み合わせ?とドキッとしますが一口いただくと「ああ!」と納得。確かに、お善哉の箸休めにお昆布がついてきたりしますよね😋お茶の旨みと昆布の旨みの相乗効果で、まったりとしたお茶時間です。
2021.11.08 02:00静岡県・やぶきた と セテュヌボンニデー・カヌレ今日の一煎は、静岡県本山のやぶきたです。あえて心持ち強めに入れられたという香ばしい「火香」が湯気とともに立ち上って、体にじんわりとしみわたります。火香(ひか)というのはお茶の仕上げ工程「火入れ」の際につく香ばしい香りですがこれが強すぎるとお茶本来の繊細な香りをマスキングしてしまう可能性もあるためあまり好まれない場合があるのも事実ではあります。また地域によっても火香を好む地域と、比較的そうでない地域があるようで、なかなか興味深いところです。私はというと火香のあるお茶の、温かくほっとする感じがとても好きで寒くなると特にいただきたくなるお茶の一つなのです。さて、お菓子は、神奈川県・向ヶ丘遊園のパン屋さん「セテュヌボンニデー」のカヌレ。カリカリの表面と、モチモ...
2021.11.05 02:00静岡県・ゆめするが と 滋賀県・しろ半老舗 姫街道今日の一煎は、静岡県の「ゆめするが」。「やぶきた」と「おくひかり」を掛け合わせて生まれた静岡(=するが)生まれの新しい品種で渋みの少ない、柔らかくまろやかなお茶です。お菓子は滋賀県・しろ半老舗の「姫街道」。東海道に比べて難所が少なく、皇女和宮をはじめとしたお姫様たちが輿入れの際に通行したことから「姫街道」と呼ばれた中山道の開通400年を記念してつくられたお菓子だそうです。麦こがしが香ばしく、白あんと栗が柔らかく溶けあってお茶によく合います😋
2021.11.02 02:00静岡県・やぶきた と 成城散歩 栗蒸し羊羹今日の一煎は、静岡県・森内さんのやぶきた。このところ、少量のお湯できゅっと濃厚に淹れる方法にはまっていましたが、今回はたっぷりの熱めのお湯でさっぱりといただきます。お菓子は、東京都・成城散歩の栗蒸し羊羹です。甘さ控えめで口溶けの良い蒸し羊羹、ざっくりと切り分けられた無造作な姿もいいものですね。